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畑管理日誌2025年3月18日「畑に吹く風、悟りへの道」

エリア外入

 

午前中は穏やかな陽射しのもと、畝作りに精を出していた。しかし、午後になると空模様は一変し、突如として烈風が吹き荒れた。

 

1月下旬から丹精込めて育ててきた苗たちは、一瞬にして混乱の渦に呑まれた。プラトレイの蓋は四方へ舞い、衣装ケースの蓋は飛ばされ、ビニールハウスも無残に引き剥がされた。

 

無力感とともに立ち尽くし、この光景に「諸行無常」を思う。都市の暮らしでは、ユダヤ・キリスト教的な「絶対安全」の幻想が人々を支えている。だが、畑に立つと、その信念がいかに儚いものかを痛感する。ここでは、風が吹けば苗は倒れ、雨が降れば土は流れ、陽が照れば草が伸びる。ただ、そこに抗うのではなく、あるがままを受け入れ、また種を蒔く

 

 

仏教の教えにある「諦観」とは、ただ諦めることではない。物事の本質を見極め、執着せず、なお前へと進む智慧である。宮沢賢治の「雨ニモマケズ」の精神は、まさにこういう時のためにあるのだろう。

 

風に倒れた苗を拾い上げ、飛ばされた蓋を回収し、また手を動かす。その繰り返しのなかで、畑は無常の真理を教えてくれる。

第一圃場


第二圃場


第三圃場


第四圃場


第五圃場


第六圃場


第七圃場


第八圃場